アンツィオ高校DCG部

主にDCGなどの備忘録

Twitch配信者duceによる、漫画概論 ~ラダーを回さずこれを読め!厳選セレクション~

はじめに

はじめましての人ははじめまして、こんにちはの人はこんにちは。Twitchという配信サイトで配信している配信者duce_drillといいます。

お前誰だよ知らねぇよという方のために、軽く自己紹介から入らせていただきます。

元々リアルのカードゲームをプレイしていたのですが、数年前からHearthstoneというデジタルカードゲームにハマり、それからHearthstone配信の頻度が高いTwitchを見るようになり、遂にはHearthstoneの配信を一年ほど前から始めるようになりました。

このブログを書こうと思った発端は配信の雑談枠で、漫画やアニメの話が出てきたのですが、元来自分は幼い頃から漫画が好きで、小さい頃からジャンプやマガジンで育ってたような人間で色々語っていると、リスナーの方からおすすめの漫画や好きな漫画を聞かれ、配信内だけでなく文字に書き起こすことでもっと多くの人に知ってもらいたいなという事と、あとは自分の備忘録的な思慮でこの記事を書こうと決めました。

Twitchの自分のチャンネルを下に貼っておくので良かったらこの記事の感想などをチャットに書きに来て下さい。

www.twitch.tv

 

 

 漫画を紹介するにあたって

今回紹介する作品は全て完結済みの漫画です。

その理由は、現行の作品だと連載誌を逐一追わないと週刊月刊組とで齟齬が発生してしまうのがあまり良い状況では無いかなーと思った次第です。

なので、ここで紹介された漫画を読んだら是非ともネタバレを気にせず配信のチャット欄に感想などを書き込んで貰えると大変嬉しく思います。

それでは早速一つ挙げていきます。

 

 

シャーリー

 

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  森薫ジャスティス。

乙嫁語り」を現在連載中の森薫が、商業デビューの前に描いた同人誌が元のメイド漫画。(乙嫁語りも面白いので良かったら見てね)

この漫画を執筆した当時、漫画を描き始めてそこまで時間が経ってないのにハイクオリティ過ぎる画力を持った、今の漫画界でもトップクラスの画力を持った漫画家です。

特にイギリスの町並みやファッションなどは本人の趣味が全開というのもありとてつもなく気合が入っていてメイド服の懲りようはこの漫画の右手に出るものは無いでしょう。

本人のメイド好きは後続作品の「エマ」でも発揮されており、単行本の合間に挟まれる小話なのもメイド好きならたまらないものになっています。

シナリオはカフェを経営する独身女性ベネットが出したメイド求人に若干13歳のシャーリーがやってきて、ベネットの家でメイドとして生きていくという仕立てになっています。

はじめに絵をべた褒めしましたが、シナリオの方も細かい描写が行き届いており何周しても楽しめます。

展開されるエピソードも洒落ていて、一番はじめの本来は雇うつもりのなかったシャーリーを雇う決め手の下りは午前三時に外で飲む缶コーヒー並に温まります。

とりあえず雰囲気のいい漫画が好き!という人にはこれは自信を持って進められる一冊です。

 

 

Present for me

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 メイドつながりでアニメ化もされた「それでも町は廻っている」・・・ではなく同作者の短編集を今回はセレクトしました。(それでも町は廻っているも名作なので時間があったら読んでくれ)

石黒正数は自分が好きな漫画家の一人で大抵の作品は追っていて、今連載中の天国大魔境も単行本買って読んでいます。これからの展開が楽しみ。

その石黒正数作品数あれど、その中でおすすめするのがこの短編集。デビュー作など7つの短編が入っていて基本的にギャグ調な感じが多いです。

が、表題作のPresent for meはギャグが入ってなく真面目な作品になっています。正直この一話だけでこの短編集を選んだ感じはありますがそれだけ面白いので一読の価値はあると言えると自信が持てます。この話は文字で語ってもなんとも言えないので本当に漫画を読んでほしいです。

長編だけでなく短編集もちょいちょい挙げて行きますのでよろしくです。

 

 

スティール・ボール・ラン

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 今まで挙げた2つと比べたらだいぶメジャーな、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの七部作目であるSBRをチョイス。

六部で一区切りついた「ジョジョ」ですが今までから一転し、アメリカ横断レースが舞台になっています。

足の不自由な元一流騎手、ジョニィ・ジョースターがヨーロッパから来たジャイロ・ツェペリに出会い、アメリカ横断レース【スティール・ボール・ラン】に参加し二人で旅をするというのが大雑把なあらすじ。

二人の主人公、不思議な力【回転】とシリーズ恒例の【スタンド】、レースの影に渦巻く強大な影・・・様々な魅力が詰まった自分が「ジョジョ」の中でも一番好きな作品です。

はじめの方はレースがメインですが徐々にバトル展開が増えていく構成で、この作品が好きな人でも序盤中盤後半で結構好みが割れることもしばしばあります。ちなみに自分は終盤がぶっちぎりで好きです。

この作品の好きな点としては登場するキャラが敵も味方も信念を持って行動している人物が多い(全員とは言ってない)というところです。

特にラスボスが今まで読んできた漫画の中でも一番好きなキャラクターで、自分の正義を最後の最後まで貫く生き様は凄い魅力的です。大衆のために戦うラスボスVS個人のために戦う主人公という構図は中々無いんじゃないでしょうか。

それと途中で挟まるジョニィ、ジャイロの主人公コンビの掛け合いも好きな点の一つですね。ドロドロのタールコールみたいなコーヒーは一回飲んでみたい。

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マリリス

 

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ジャンプで連載していた「サムライうさぎとなりのヤングジャンプ(こないだまでヤングジャンプで連載していたが移籍しました。ちょっと悲しい)で現在連載中の「ボクらは魔法少年」の福島鉄平短編集。

上に挙げた3つと比べて絵柄は可愛いものの、それこそコールタールのようにドロっとした作品が多く、特に同性愛要素がちょいちょいあるので少し人を選ぶかもしれません。

ですがそこを軸に心を揺さぶる作品ばかりなので是非とも読んでじんわりと染み込んでくる読後感に浸って欲しいです。

6つの短編の中で自分がイチオシなのが「ルチア・オンゾーネ、待つ」

貴族の少女ルチアが貴族への反乱の危険から逃れるために孤児院へと預けられそこで父親を待ち続けるものの、元貴族という立場上中々周りと馴染まずに日々を送っていくがある日ベッラという少女と出会いそこからルチアの心情が段々と溺れていく・・・というあらすじです。

少しネタバレになりますがこの話百合要素が入っていまして直接的な描写は無いもののそれっぽい事はしてますね。(キマシタワー)

百合ものの漫画といえばこの間アニメにもなった「やがて君になる」なども結構話題に上がっていて、自分も読みましたがなんとも言えない恋愛感情の差し引きが普通の恋愛漫画じゃ味わえないなぁと感じました。アマゾンプライムビデオで確かアニメが見れたと思うのでこれも時間があれば見るのをオススメします。

 

 

HELLSING

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 「ドリフターズ」を絶賛まったり連載中の平野耕太(通称ヒラコー)が送るヴァンパイアアクション漫画。

元々は快楽天に載っていたエッチな漫画でそこからヤングキングアワーズで連載が始まったという経歴を持つOVAアニメ化された作品。ちなみに余談ですが快楽天版にはアーカードとセラス、ルーク&ヤンの原型っぽいキャラが登場しています。

ヘルシング家率いるイギリスのヘルシング機関と、それに与する吸血鬼アーカードと吸血鬼化した婦警、セラスらがイギリスに敵対する吸血鬼達を倒していくというストーリー

この漫画の肝はなんと言ってもド派手なアクションと独特のセリフ回しと断言出来ます。

小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK? 

諸君 私は戦争が好きだ 

 から始まるヘルシング機関と対立する最後の大隊、少佐の演説などネット上でも熱狂的なファンが湧くほどオタク心を擽るセリフが盛りだくさんです。

作者自身が結構なオタクなのでやっぱりそこらへんの塩梅はうまいなーと感じられます。ドリフターズでも俺の考えた最強の聖杯戦争をやってるのに聖杯戦争より面白くて凄いと実感する。(個人差アリ)

 

 彼方のアストラ

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 「SKET DANCE」を週刊少年ジャンプで連載していた篠原健太がジャンプ+で描いたSFアドベンチャー

一口にSFアドベンチャーと言っても様々な要素が散りばめられ伏線なども丁寧に貼られています。全5巻というボリュームながら巻数の少なさを感じさせない壮大な物語です。

後半はやや駆け足になっていますがそれでも明かされる物語の秘密に、読めばワクワクを抑え切れないと思います。個性的なキャラクター達が旅路を経てわかり合っていくというのはthe少年漫画と言えるのでは無いでしょうか。

アニメ化も決まっており割とサクッと読めるので今読むならアマゾンで買える全巻合本版がオススメです。

 

あずまんが大王

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オタクなら読んどけって一冊を挙げるならこの「あずまんが大王」だと自分は自信を持って断言できます。

よつばと!」のあずまきよひこ著作の4コマ漫画です。

10歳の天才だけど少し抜けてる少女、ちよちゃんや関西弁もどきを話す通称大阪さん達が醸し出す緩い日常感とちよ父などの夢想的で不思議な存在などが混ざり合って、生クリームのように甘い味わいがする作品です。

いわゆる【空気系】の祖とも言われている漫画であり、空気系作品とは女子高生がわーわー日常を過ごす様を描いているタイプの作品で、詳しくはウィキPディアを読めばわかると思います。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97%E7%B3%BB

この記事の中で空気系の代表作として、オタクなら見たことはあるであろう「けいおん!」「ゆるゆり」「ひだまりスケッチ」などの流れの源流であると言えます。

実は自分は正直【空気系】の作品は得意では無いのですが、このあずまんが大王だけは別格でたまに読み返すくらいには好きな作品です。やはり辛い時悲しい時がある現実の受け皿としてこういう作品はいつまでも残るといいジャンルだと思います。

 

 

ミスミソウ

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ゆるふわな日常系漫画の次は非日常サスペンス漫画の「ミスミソウ」を紹介。
ついこの間完結してアニメ化最終章が4月に後悔される「ハイスコアガール」や「でろでろ」の押切蓮介が、今まで得意としていた妖怪や怪異などを扱うホラーではなく、人間の恐ろしさを描くサイコホラー作品です。

都会から転校してきた主人公家族を襲う田舎の人間による残虐過ぎる行為を受け、復讐の炎を燃やす主人公・・・と書いてみれば割と普通に熱い物語かな?となりますが、出てくるキャラの言動が人間臭くてとても汚くて結構心に来ます。

結構ハードな物語で普通は人に勧めるような作品では無いのは承知ですが、それでもこの作品を推す理由は自分がとても好きな作品で、一度でいいから読んでみて同じ思いをしてほしいからです。この本を読み終わった後の読後感は中々味わえないので是非途中の辛い展開を乗り越えて読了してみて下さい。

 

 

喧嘩商売

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 現在ヤングマガジンたまに連載中の「喧嘩稼業」の前作が「喧嘩商売」。

天才格闘家高校生が宇都宮で騒動を巻き起こす格闘ギャグ漫画・・・なのだがこの漫画の真髄はやはりギャグよりも格闘の部分。ギャグも面白いのは面白いけど時事ネタが結構多いので今見るとキツイのが多い印象です。

最初は冒頭に書いた完結済みの漫画という条件には半分合わないので、この漫画を挙げるか迷ったのですが、それでもやはり読んでほしいエピソードがあるのでこの漫画を挙げました。

そのエピソードとは17巻から始まる主人公の佐藤十兵衛対金田保の戦いです。この金田戦、今まで見てきた漫画のバトルを語るなら間違いなくベストバウトと言えます。どちらも少年漫画には見られないようなダーティな手段を用いて試合を進めていく策略の巡りあいとそれとは正反対の王道を征く必殺技など興奮せずにはいられない展開が続きます。一つ難点として途中に挟まるギャグパートで結構熱が冷めてしまいがちなのでそこはもう割り切れとしか僕には言えません。

後は主人公顔負けに主人公をしている十兵衛の師匠、入江文学についてのエピソードも面白く、文学も「喧嘩稼業」では熾烈な戦いを繰り広げるので時間あったら読んで下さい。

 

 

クズとメガネと文学少女(偽)

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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!谷川ニコ著作、アホな女の子が文学少女に憧れるも空回り、しかしそれに恋したクズ(いうほどクズじゃない)と読書好きなメガネが巻き起こすドタバタ?ギャグコメディ

文学と絡めたギャグだったりやたらと重いキャラ設定だったり色々見どころのある作品。あまり女の子が戯れる【日常系】が好きではないと上に書いたがギャグ漫画となるとお?となって少し読んでしまうというジレンマを抱えています。ちなみに「ひなまつり」とか「あそびあそばせ」も結構好きです。

谷川ニコは結構好きで「わたモテ」は更新日に全裸待機し、「ナンバーガール」や「ライト姉妹」なんかの過去作も面白く読んでました。ついでにいうと賛否ありそうですが「わたモテ」は初期のもこっちがガチ陰キャしてた頃のが好きです。

その中で選んだ「文学少女」は谷川ニコ作品で一番好きな作品だったのですが、打ち切りみたいなぶつ切りエンドで終わりになってます。基本一話完結なのであまり伏線回収されずにモヤっとしたみたいなのは無かったのですが、それでもやはり悲しかったので「わたモテ」が完結したら第二章として再開してほしいです。いやしろ。

 

 

あとがき

このブログを書き始めて最初の数日は乗りに乗ってキーボードを叩いていたのですが、いつの間にか存在を忘れてて、最近このブログの存在を思い出しなんとか書き上げました。ほんとは「ドロヘドロ」とか「ヴェンデミエールの翼」とか色々書きたいのあったんですけど絶対gdgdになりそうなのでまたの機会に。

ここまで見て下さりありがとうございました。気分が向いたらアニメ編もあるかもしれません。